これからインターネットを契約する人は、その基準の一つとして「回線の速度」を考えるのではないかと思います。遅い回線では快適にインターネットを使用することができないものですが、そもそも「快適に使える回線速度」とはどのようなものでしょうか。回線速度は速いに越したことはありませんが、月額料金や付帯サービスなど他のポイントも考慮する以上ある程度の妥協点は知りたいところでしょう。

そこで、各社光回線の速度を比較して、快適に使える速度がどのようなものであるのか解説したいと思います。

「インターネットの速さ」って何?

まず最初に、そもそも「インターネットの速さ」とは何なのかについて説明しておきますね。

インターネットの速さとは?

インターネットの速さ、言い換えると「回線速度」になり、これは一定の時間でどれだけ多くのデータをやりとりできるかを数値化したものです。

トラックで荷物を運ぶのを例にして説明します。あるサイトを表示するのに100のデータを必要とする場合を考えてみましょう。1台のトラックに付き1つのデータを運ぶので、トラック100台が目的地に着かないとサイトを表示できません。1車線しかない道路を通る場合と10車線ある道路を通るとき、後者のほうが10倍の速さで荷物を届けられます。この「車線数の多さ=一度に運べるデータ数の多さ」が、インターネット回線の速さのことなのです。

回線が速いと何がいいの?

では、インターネット回線が速いと何がいいのでしょうか。先ほども触れていますが、インターネットを利用するということは、データのやり取りをするということです。サイトを表示するのも動画を読み込むのも、ファイルをダウンロードするのもデータのやり取りによって行われます。

動画を例にするとわかりやすいですね。動画データを読み込むときに、回線が遅いとカクカクとした動きになり、イライラしながら動画を見なければならなくなります。一方で回線速度が速いとそうしたことがなく、滑らかでスムーズな動画視聴が可能です。つまり回線速度が速いとストレスなくインターネットを利用できるってことなのです。

回線速度の「上り」と「下り」って何?

インターネットの回線の速さについて、よく「上り」と「下り」という電車みたいな単語が出てきます。これを別の言い方で表すと「アップロード」と「ダウンロード」と言い表すことができます。アップロードとはインターネットにデータを送ることで、ダウンロードとはインターネットからデータを送ってもらうことを言います。

これらにも速度があり、「上り速度」と「下り速度」は大きく意味合いが異なります。上り速度とはアップロードの回線速度であり、下り速度とはダウンロードの回線速度です。従来はサイト閲覧から動画視聴など下り速度が重視される傾向にありましたが、最近はSNSや動画投稿などの利用頻度が高まっているので上り速度も重視されています。

下り速度が速くて上り速度が遅い回線であれば、データを読み込むのは速いけれど、データをアップロードするのには時間がかかる可能性があります。動画投稿やSNSへの投稿を多く利用する人は、上り速度も重視したいところです。インターネットを選ぶ時には、自分がインターネットをどんな風に使うのかを考えて、上りと下りの速度に注目してくださいね。

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快適なインターネットの速さとは?

インターネットの速さについて簡単に説明したところで、本題の「快適なインターネットの速さ」についての説明に入りたいと思います。

速いに越したことはない

まず最初に、インターネットの速さは早ければ速いほどいいことなのは間違いありません。回線速度が早ければそれだけデータのやり取りが早く、快適なネットライフを楽しめるからです。基本的に回線速度が速くて困ることはありません。

早すぎても持て余すかも?

ただし、回線速度の速さがインターネットにおける絶対的な価値というわけではありません。確かに回線速度が速いことは一つのメリットなのですが、その速さが本当に必要なものかどうかは別の問題なのです。

例えば先ほどのトラックの例で説明してみます。あるアクションのために1つのデータ(1台のトラックで運べる)を送ってもらうとします。この時、1車線の回線と10車線の回線のどちらを使っても、1台のトラックが到着する時間は変わりません。つまり、送受信するデータ量が少ないアクションがメインとなるインターネットの使い方においては、速すぎる回線速度は「宝の持ち腐れ」になりかねないのです。

インターネットを選ぶ時には回線速度の他にも「月額料金」「付帯サービス」「契約特典」など、さまざまな基準があります。一般的に最大通信速度が速い回線ほど月額料金が高くなります。インターネットの使い方を考えずに、回線速度のみを重視して、これらの基準を無視するのはムダが多いということになります。

快適な通信速度とは?

ここで重要なのは「快適な通信速度=最高速度の回線」ではないということです。快適な通信速度とはインターネットを利用する上でストレス無く利用できるかどうかですので、言い換えれば「自分の利用スタイルにおいてスムーズにインターネットを利用できる速度」ということになるのです。

インターネットの使いみちがメールの送受信やデータ量の少ないサイトの閲覧程度であれば、最低限のインターネット環境があればほぼ問題ありません。快適さを追求するのに、通信速度にこだわる必要はほぼないと言えますね。

次に、動画の視聴など、より多くのデータ量をやり取りする必要があるのであれば、快適なインターネット環境のためには30~100Mbpsの通信速度があれば十分でしょう。使い方次第ではありますが、光回線であればそこまで通信速度に固執する必要はないと言えます。

最後に、それ以上にデータ量をやり取りする必要がある使い方をするのであれば、100Mbps~1Gbpsの通信速度が欲しいところです。動画ファイルのダウンロードやオンラインゲームをプレイするのであれば、通信速度の速さが快適さの鍵を握ります。そのような使い方をするならば、最大通信速度が速い通信会社を選ぶ必要があります。

スピードテストで現状の通信速度を確認しよう

これらの数値はあくまでも目安なので、実際の快適さ・使い心地はユーザーによって異なります。もし、現状のインターネット環境が快適ではない場合に、どのくらい通信速度が必要なのかを知る方法としては「スピードテスト」を利用することをおすすめします。

インターネット上では、無料で利用できるスピードテストがあり、お使いの回線の速度を調べることができます。現状で快適とは言い難いインターネット環境のユーザーは、最低でも調べた通信速度以上の回線・プランに切り替える必要があるということになります。

光回線大手の通信速度を比較

では、光回線を提供している大手通信会社の通信速度を比較してみることにしましょう。

フレッツ光と光コラボは最大1Gbps

「フレッツ光」と、同じ回線を利用している「ドコモ光」や「ソフトバンク光」などの「光コラボ」は、最大で1Gbpsの通信速度のプランを用意しています。

NURO光とauひかりは最大10Gbps

これに対して圧倒的な最大通信速度を誇るのが「NURO光」と「auひかり」の2社です。これらの通信会社は他社の10倍の最大10Gbpsのプランが用意されています。欠点としてはどちらの回線も一部のエリアでしか利用できないという点が挙げられます。

単純な最大通信速度の速さで言えば、NURO光やauひかりの10Gbpsのプランがおすすめとなります。しかし、一般的なインターネットの利用スタイルにおいて10Gbpsという速度は手に余るとも言えますね。おまけに、10Gbpsの速度を目指すためには10Gbpsに対応している通信機器を揃える必要があります。一般的な利用スタイルで快適な通信速度を実現したいのであれば、最大1Gbpsの光回線で十分だと言えます。

通信速度は「ベストエフォート」であることに注意!

ここで注意しておきたいのは、各通信会社が公開している「最大●Gbps・Mbps」という数値。これは文字通り「最大で」であるということです。つまり、実際に出る速度はそうならないということなのです。

例えば最大1Gbpsの通信速度を有する光回線を契約したとします。では常に1Gbpsの通信速度でインターネットを楽しめるのかと言えば、そうではありません。この回線であれば実際に出せる速度は数百Mbpsがいいところでしょう。

また、最大通信速度が同じ通信会社で比較すると、実際に出せる通信速度は異なるという点にも注意が必要です。例えば1Gbpsの通信会社A・B・Cがあるとします。通信会社以外の条件を全く同じにすると、Aは200Mbpsなのに対して、Bは150Mbps、Cは250Mbpsであるというケースもあります。

もし、100Mbpsくらいの通信速度でインターネットを利用したいと考えているなら、最大100Mbpsのプランで十分かと言えば、実際の通信速度は何割かに落ち込みますので不十分だと言えます。一方で最大1Gbpsのプランであれば条件次第で数百Mbpsの速度が出ますので条件に合致します。

通信速度には「地域差」がある

さらに注意したいのは、光回線の通信速度には「地域差」があることです。これはプロバイダの対処能力が、その地域のユーザー数に応じているかどうかで決まります。プロバイダのキャパシティを超えるユーザー数がいる地域では、ネットの利用が集中する夜間の通信速度が昼間よりも大幅に遅くなることもあるのです。

プロバイダの設備やユーザー数の推移により通信速度も変化しますので、同じ地域のできるだけ直近の口コミを確認するとお住まいの地域での通信速度の目安がわかります。

通信機器をチェックする

もう一つ確認しておきたいのは、お使いの通信機器のスペックです。LANケーブルやルーターなど、インターネットの接続に関わる通信機器には規格があって、それぞれ最大通信速度の対応が異なります。1Gbpsの光回線を利用するのであれば、1Gbps以上の通信速度に対応している通信機器を揃える必要があります。どれか一つでも対応速度が遅いものがあると、最大速度は一番対応速度の遅いものにあわせた速さになります。

快適な通信速度はユーザー次第、自分に合った回線速度を探そう

回線速度は速ければ速いほどどんな利用スタイルにも対応できますが、月額料金が高くなり、宝の持ち腐れになる可能性も考えられます。ネットの利用スタイルによって快適なネットライフを実現できる最低限の通信速度は異なります。ご自分の利用スタイルを見直して、必要な通信速度を確保できる通信会社を見つけてください。

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トオル

トオル

元大手通信会社に10年勤務していたトオルと申します。 自分自身、インターネットの難しさに触れ、自分なりに勉強しながら解決する、という経験を繰り返してきました。 インターネット回線やモバイルルーター、SIMなどの知識には自信があります。 「インターネットに関しての難しい」を少しでも簡単に、親切にお届けできれば、と考えています。 趣味:PC、スマホなどのガジェット、マラソン、釣り、マージャン 好きなお酒:ビール 好きな女性のタイプ:深田恭子 休日の過ごし方: 上記趣味とネットサーフィン